先日、久しぶりに金曜の夜の品川駅へ行きました。
いや、本当にすごい人でした。
通路いっぱいに人がいて、前からも横からも、次々に人が歩いてきます。
ぶつからないように進むだけでも大変です。
身体を少し横へずらしたり、上半身をひねったり、ときには急に立ち止まったりしながら歩きました。
そのときに感じたのが、こういう場所でも「体幹」が大事だということです。

人混みでは、身体をかわす動きが続いている
空いている道なら、ほとんどまっすぐ歩けます。
しかし、混雑した駅ではそうはいきません。
目の前の人をよけて横へ動く。
斜め前へ進む。
肩を少し引いて、すれ違う。
そして、よけた先にまた人がいれば、すぐに次の動きへ移る。
このとき、身体をうまくかわすことができると、人混みの中でも動きやすくなります。
反対に、一回よけるたびに身体が大きくグラつくと、次の動きが遅れます。場合によっては、その先にいる人とぶつかりそうになることもあります。
大切なのは、ただ足を速く動かすことではありません。
身体をひねったり、横へ動いたりしても、軸を大きく崩さないことです。
このときに大事なのが、「体幹」です。
体幹で大事なのは、腹筋だけではありません
「体幹を鍛える」と聞くと、腹筋運動を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、人混みを歩くときの安定には、お腹だけではなく、背中、お尻、脚、足首までが関わっています。
歩いているときは、左右の足へ交互に体重を移しています。
そこから急に横へ動いたり、上半身をひねったりするには、いろいろな筋肉が必要なタイミングで一緒に働かなければなりません。
私は、特に次の筋肉の働きが大事だと考えています。
中殿筋・小殿筋
お尻の横にある筋肉です。
歩いて片脚に体重が乗ったときや、横へ一歩動いたときに、骨盤が大きく傾かないように支えます。
ここがうまく働かないと、上半身を大きく左右へ振ってバランスを取ろうとすることがあります。
腹斜筋・腹横筋
腹斜筋は、身体をひねる動きに関わります。
腹横筋は、お腹の深いところから胴体を支える筋肉です。
人をよけるために肩や上半身をひねったとき、胸と骨盤がバラバラにならないようにつなぐ働きをします。
ずっと力を入れて固めるのではなく、必要な瞬間に身体を安定させられることが大切です。
多裂筋など、背骨の近くにある筋肉
背骨の近くには、姿勢を細かく調整する筋肉があります。
急に止まったときや進む方向を変えたとき、背骨まわりが大きく崩れないように支えています。
内転筋
内ももにある筋肉です。
横へ動いたあと、足を身体の中心へ戻す動きなどに関わります。
お尻の筋肉と内ももの筋肉が協力することで、左右への切り返しがしやすくなります。
そして忘れてはいけないのが、足裏や足首まわりです。
地面に接している足元で重心を細かく調整し、その上で股関節、骨盤、お腹、背骨が連動しています。
身体の軸は、一つの筋肉だけでつくられているわけではありません。
自分の身体を簡単にチェックしてみましょう
自分の身体が安定しているか、簡単な動きで確認してみましょう。
転ばないように、壁や椅子の近くで行ってください。痛みや強い違和感が出た場合は、無理をせず中止しましょう。
1.片脚で立ってみる
片方の足を少しだけ床から浮かせます。
骨盤や上半身が大きく左右へ傾かないか、すぐに足をつきたくならないかを見てみましょう。
左右で安定しやすさに違いがあるかも確認します。
2.横へ一歩動いて戻る
立った状態から横へ一歩動き、元の位置へ戻ります。
足を着いたときに身体が大きく揺れないか、左右で動きやすさが違わないかを確認してみてください。
3.斜め前へ一歩出て戻る
斜め前へ一歩踏み出し、元の位置へ戻ります。
上半身だけが先に倒れたり、戻るときにグラついたりしないかを見ます。
4.上半身を左右へひねる
足を腰幅くらいに開いて立ち、無理のない範囲で上半身を左右へひねります。
ひねったときに身体の軸が大きく傾かないか、左右で動かしやすさに差がないかを確認します。
セルフチェックでグラついたからといって、すぐに「この筋肉が弱い」と決めることはできません。
バランスは、筋肉の働きだけでなく、足の置き方や関節の動き、身体が周囲の状況を感じ取る力など、いくつもの要素が関係するからです。
自分では分かりにくい、筋肉のバランス
同じように身体がグラついていても、うまく働いていない場所は人によって違います。
お腹の筋肉が気になる人でも、実際にはお尻や足首の働きが関係しているかもしれません。
反対に、本人が気づいていない筋肉がサボり、その分を別の筋肉が頑張って補っていることもあります。
だから私は、気になる場所だけではなく、身体全体のつながりを見ることを大切にしています。
当院の施術では、姿勢や動きを確認し、必要に応じて筋反射テストも使いながら、筋肉の働きや身体の反応を見ていきます。
筋反射テストというのは、キネシオロジーという手法の中で、身体の反応を確認するために用いる方法です。
人混みでよけるたびにグラつく。
左右で動きやすさが違う。
自分の身体のどこがうまく働いていないのか、もう少し詳しく知りたい。
そんな方は、筋反射テストを受けてみてください。
痛い場所だけを追わず、身体全体を一緒に確認していきましょう。


