夏バテと鉄分
2024年07月28日 12:13
夏になると、多くの人が「夏バテ」に悩まされます。
しかし、その原因は単なる暑さや疲労だけではありません。
実は、汗をかくことで失われる鉄分が、夏バテの大きな要因の一つとなっているのです。
鉄分とヘモグロビン
鉄分は、体内の酸素を運搬する役割を担うヘモグロビンを作るために必要な栄養素です。 ヘモグロビンは赤血球内に含まれ、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に運搬します。
その他にも、エネルギー代謝、免疫機能など、様々な重要な役割を果たしています。
汗で失われる鉄分
私たちは、汗をかくことで体内の水分やミネラルを排出します。その中には、鉄分も含まれています。
1リットルの汗の中には、約1mgの鉄分が含まれていると言われています。つまり、大量に汗をかくと、それだけ多くの鉄分が失われてしまうのです。
鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られなくなり、貧血状態になり、立ちくらみ、めまい、息切れ、疲れやすさなどの不調が現れます。
このように、1mgという少量であっても、鉄分は体にとって重要な役割を果たしています。
日常生活でかく汗
炎天下での作業:
農業、建設業、運送業など、屋外で長時間作業する人は、1時間あたり1リットル以上の汗をかくことも珍しくありません。
スポーツ:
ランニング、ジョギング、サイクリング、サッカー、テニスなどの運動は、短時間でも大量の汗をかきます。
入浴:
熱いお湯にゆっくりと浸かると、汗をかくことができます。一般的には、30分程度の入浴で500ml~1リットルの汗をかくと言われています。
夏は特に汗をかきやすく、鉄分が失われやすい季節です。
鉄分が不足するとヘモグロビンの生成が減少、酸素不足となり、エネルギー代謝が低下して、疲労感や倦怠感、頭痛など、夏バテの状態となります。
鉄分不足による夏バテを防ぐためには、鉄分を積極的に補給することが大切です。
鉄分を多く含む食品
赤身の肉
レバー
魚
卵
豆類
緑黄色野菜
食事だけで十分な鉄分を摂取できない場合は、鉄分サプリメントの活用も検討しましょう。
鉄分の吸収を高めるためにビタミンCを一緒に摂取することも大切です。